All in One SEOに重大な脆弱性発見!300万サイト以上に影響か

2025.10.04

OVERVIEW

WordPress用SEOプラグイン「All in One SEO(旧称:All in One SEO Pack)」に、2025年9月下旬、Missing Authorization(権限確認の不備)が報告されました。これは本来許可された人だけが触れるべき処理に、条件次第で不正アクセスが及ぶ可能性がある問題で、Wordfenceの公開レポートに基づくものです。

All in One SEOとは

All in One SEOは、タイトルやメタ情報、XMLサイトマップ、構造化データ、ソーシャル用メタを一元管理できる代表的なSEOプラグインです。非エンジニアでもガイドに沿って設定できる使いやすさが特徴で、WordPress.orgでは300万以上の有効インストールとして扱われるほど広く導入されています

検索エンジンでの表示最適化を中心に、運営者の実務に直結する機能が揃っているため、国内外で「Yoast SEO」と並ぶ定番選択肢です。WordPressがWeb全体の大きな比率を占めることを踏まえると、このプラグインに関する問題の影響範囲は無視できません。

発見された問題とは

一部機能において操作前の権限チェックが不十分で、ユーザーが本来持たない操作に到達できる可能性がありました。平たく言えば「この人は本当にやっていい人か?」という確認が甘い箇所があったということです。

その結果、権限の低いユーザーや外部からのアクセスが、想定外の操作や情報取得に届く恐れが指摘されています。サイトの構成やユーザー権限設計によっては、影響が拡大しやすい特性があります。

影響とリスク

SEO設定の改ざんで検索結果のタイトル・説明が書き換わるインデックス制御の変更で検索流入が落ちるSNS向けメタの改変でブランド表現が崩れるといった実害に直結します。

会員サイトやECのように権限が分かれる環境では連鎖的に影響が広がりやすく、結果として信頼低下と復旧コストの増大という経営上のリスクが高まります。

対処方法

  1. プラグイン更新:管理画面から「All in One SEO」を最新版(少なくとも4.8.7.2以降)へ更新してください。4.8.7.2ではREST APIルートのハードニング(防御強化)が明記され、権限確認まわりの保護が強化されています。
  2. 動作確認:更新後に管理画面と主要ページを点検し、タイトル/メタ/サイトマップ生成と検索結果の見え方を確認します。併せてセキュリティプラグインによるスキャンを一度実行し、異常の有無を確認してください。
  3. バックアップ運用:ファイルとDBの定期バックアップをスケジュール化し、リストア手順を年数回はリハーサルします。更新前後に自動スナップショットを取れる環境にしておくと、復旧時間を大きく短縮できます。

まとめ

本件は権限確認の不備に起因するセキュリティ問題で、最新版への更新と基本的な点検・バックアップ体制の整備で大半のリスクは抑えられます。運営者が押さえるべきポイントは「最新化」「検証」「復旧準備」の三点に集約され、いずれも日常運用で継続可能な対策です。

定期更新・簡易点検・定期バックアップを習慣化すれば、同種の不具合や脆弱性に対しても強い運用に近づきます。今回を機に、更新ポリシーとバックアップ体制の再点検をおすすめします。

参考


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